佐賀には何もないと言われます。
三重津海軍所跡の”世界遺産”はその象徴でしょう。
テレビでは有田焼のニュースが毎日のように繰り返し流されます。しかし正直言って少し飽きました。
有田焼の売上は一時期の6分の1らしいです。

佐賀には北陸新幹線開業にわく金沢のような華やかな文化はありません。

佐賀人の気質は質実剛健。見かけの美しさより内面の充実、誠実さを求めます。江戸時代の『葉隠』にもあるように武士道の極限を追求した国でした。
幕府から長崎の警護を命ぜられ、西洋列強の先進性と危機感を肌で感じ取り、すべての資本は軍事費に費やされ、個人の衣食住などの贅沢は慎まれてきました。
佐賀人は、そう、とにかく真面目なんです。そして基本的にケチで無駄遣いもしないので経済的にも発展のネックになっているのでしょう。

幕末期には鍋島閑叟という開明派の名君が現れ日本で初めての鉄製大砲や蒸気船の建造なども手がける東洋一の先進国となり倒幕運動にも大きな影響を与えることになりました。
藩校の弘道館でのスパルタ教育は日本一の水準で明治初期の有能な人材を多数排出しました。

佐賀は形として残ったものは確かに素朴なものしかないかもしれませんが、人間の内部に育まれた目に見えない遺産の偉大さは誇りとすべきものでしょう。

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