佐賀県知事選(1月11日投開票)は54%という戦後最低の投票率となった。

投票に行ったのは農協や自民党といった組織に属する者がほとんどで、一般人は無関心であったということだろう。

県知事候補として4人が立候補したが、オスプレイ配備と原発再稼働に堂々と反対したのは島谷幸宏氏だけだった。島谷氏は国土交通省出身の元エリート官僚で現九州大学教授。保守分裂選のカンゲキを縫って正論を訴えれば充分戦えるはずだった。しかし現実は惨敗、甘くなかった。今の佐賀県、どんなに正論を主張しても組織や利権のシガラミには勝てないということを実証した。

わずかばかりの光は樋渡啓祐氏が落選し、自民党の思い通りにはことが運ばなくなったことだ。

しかし当選した山口氏自身は支持団体である農協のロボットでしかないわけで、古い利権が延命されたという意味しか持たない。本人は『中央のいいなりにならない』という大義をあとづけしていたが、裏を返せば『でも農協のいいなりなんです』ということでしかない。

アメリカの従属路線である自民党政権と地方勢力が対立している間に真の民主主義という大きなうねりを巻き起こすしかない。