陸上自衛隊が導入する米軍の新型輸送機「MV22オスプレイ」の佐賀空港(佐賀市)への配備方針が明らかになり、県内の関係者の間には困惑や、賛否の声が交錯している。

 地元・佐賀市の秀島敏行市長は、開港前の1990年に県が地元の漁協などと交わした協定の中で「空港を軍事利用しない」としたことに触れ、「(当時の)住民の意思をないがしろにはできない」と当惑した様子で語った。

 2010年に米軍普天間飛行場(沖縄県)の移設先の一つとして佐賀空港が浮上した際、反対決議を可決した県議会の反応は様々。今回の方針について、一部の県議が「絶対反対」などとブログに書き込む一方、「オスプレイは、災害時の救援物資の輸送に役立つ」と期待する県議もいる。

 佐賀空港に近い有明海の漁協幹部は「報道以外のことは分からない。政府の考えを聞き、対応を話し合いたい」とした。

 武田良太防衛副大臣は22日に県庁と佐賀市役所を訪れ、古川知事や秀島市長に配備を要請。その後、漁協も訪問する見通し。

2014年07月21日