陸上自衛隊が導入する垂直離着陸輸送機オスプレイなどを佐賀空港(佐賀市)に配備する政府の計画が佐賀県に伝えられた22日以降、同県庁に電話とメールで反対や賛成の意見が相次ぎ、24日午後5時現在で計85件に上っている。反対が54件(64%)を占め、計画で米軍オスプレイの暫定配備もあることから「米軍基地になりかねない」との意見もあった。賛成は17件(20%)、その他が14件(16%)となっている。

 県政策監グループによると、武田良太副防衛相が佐賀県庁を訪れ古川康知事に計画を伝えた22日午前9時以降、電話がかかり始めた。年齢は集計していないが、中年以上の男性からが多いという。

 反対は「民間利用の佐賀空港が米軍基地になりかねない」「オスプレイは墜落の危険性が高い」「騒音が心配」などが目立った。また、空港建設前の1990年に県が地元自治体や漁協と交わした覚書付属資料で「自衛隊との共用はしない」と約束していることを挙げ「覚書があるのになぜ配備するのか」と問題視する意見もあった。

 一方、主な賛成意見は「沖縄の負担軽減のため」「日本の防衛上必要だ」などの他、「オスプレイを見るために人が来て、観光施設となり地域活性化につながる」などだった。

 通常、県庁に意見を寄せるメールは1日平均1、2件程度にとどまる。県は「オスプレイ配備問題の関心の高さをうかがわせる」と受け止めている。

 政府の計画では、陸自に導入予定のオスプレイ17機と陸自目達原(めたばる)駐屯地(佐賀県)のヘリコプター部隊50機を佐賀空港に配備する。さらに米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設完了までの間、普天間のオスプレイも佐賀空港に暫定配備させる。要請を受けた古川知事は「賛否は全くの白紙」とし、政府が前面に立って住民の不安を含めた課題を解消することが判断の前提になるとの認識を示している。【松尾雅也】