防衛省が導入する新型輸送機オスプレイの佐賀空港配備問題で、空港を管理する佐賀県が「空港運営の変更には事前協議が必要」とする協定書や合意書を、地元佐賀市川副町の2農協(現・JAさが)と福岡県柳川市との間で締結していたことが28日、分かった。県は地元漁協と結んだ覚書で「自衛隊との共用は事前協議の対象」と明記。仮に軍民共用化する場合は、漁協に加えて農協、柳川市との事前協議が必要になる。
県は1990年、空港建設に際し、関係2農協(川副町、西川副)、県有明海漁連、関係8漁協、川副町(現・佐賀市)と計四つの公害防止協定を締結した。軍民共用に触れているのは関係漁協、県漁連の二つだけだが、関係農協との協定書の中でも「空港の運営変更」に関する事前協議の定めが盛り込まれている。
県は飛行直下にある柳川市とも空港開港時の98年、「環境保全に係る合意書」を結んだ。その第4条「計画変更時の協議」の該当項目として「空港用途を変更するとき」と記載している。また、飛行時間帯に関する第2条で「午前0時から同4時半までは夜間貨物便専用」としており、この時間帯の自衛隊機の訓練飛行はできない可能性がある。
古川康知事は25日の定例記者会見で、軍民共用が空港運用の変更に当たるとの認識を示している。防衛省は駐機場など整備予定地の地権者である漁協と協議を進めていく考えだ。仮にそこで漁協の同意が得られたとしても、県が受け入れを判断する場合、農協と柳川市の意向も重要な要件となる。
2014年07月29日 佐賀新聞